02実例(参考に)

石川県立能登青翔高校

ここ、青翔台の大地に春の息吹が漂い、今年も新たな希望に満ちた春が巡ってきました。本日は、ご多忙の中能登町長様をはじめ、多数のご来賓や保護者の皆様方をお迎えし、第三回卒業証書授与式を挙行できますことは、生徒、職員一同にとりましてまことにありがたく大きな喜びとするところであります。ご臨席の皆様方に、心から感謝申し上げます。
ただいま、卒業生五十名に卒業証書を授与いたしました。
卒業生の皆さんは、明日から新しい生活への希望を胸に、それぞれの進路へと旅立ちます。この門出に当たり、心から幸多かれと祈念いたします。
また、この間、陰になり日向になって、お子様を育み、支えてこられた保護者の皆様方には、改めてお喜び申し上げます。ご卒業、誠におめでとうございます。
卒業生の皆さんは、青翔高校の良き校風である「自律」・「創造」・「博愛」・「実践」の精神を受け継ぎ、学習や部活動をはじめ、学校行事や課題研究などに熱心に取り組み、知力と体力と気力を育んできました。特に、本校の長年の夢でありました第一回体育祭が、県下で二番目と言われる広大なグラウンドで、昨年九月に地元保育園児を招き、生徒一人ひとりの躍動感に溢れた競技が、後輩や園児達に新しい風を吹かせ、素晴らしい感動を残してくれました。この真摯な姿は、後輩に必ずや引き継がれるものと思います。また、グラウンド周囲には卒業記念樹として、それぞれの思いを込めて、桜の苗木を約140本植樹致しました。今朝、早めに登校して皆さんが植えた桜の木を見てきましたが既に何本かは小さな蕾をつけており四月にはきっと小さな花を咲かせてくれるでしょう。さらには、五年後、十年後にはたくさんの花を咲かせ地域住民や生徒達の心を癒す憩いの場所ともなるでしょう。皆さんの高校三年間の生活がどのようなものであったかは別として、共に笑い共に苦しみ成長してきた確かな足跡がこの
青翔台地に残ります。
ここで、皆さんの洋々たる門出にあたり次のことをお話しします。
まずは、二宮尊徳という人物についてです
尊徳は、江戸時代に農業改革者の第1人者として活躍され、現代農業の基礎を築かれた方です。彼は、13歳で父の死に、16歳で母の死に遭遇し、そのため一家は離散してしまいます。そこで尊徳は二宮家を再興するため、誰も手をつけなかった荒れ地を開拓し、そこに菜種を植え、菜種油を造ってコツコツとお金を貯めました。彼は、働きながら読書に励み、その努力は見事に結実し、23歳の時独力で一家を再興しました。この経験に基き、尊徳は、農民たちに先ず、自分の身辺の簡単に出来ることから立派にやり遂げなさい。それが成し遂げられれば、一段階先に進むことが出来ると言い続けております。この話は、「夢」や「希望」を持つほど重要なものはない。そして、一歩一歩着実に努力を重ねることによって、それは叶えられるということを私たちに教えてくれています。過去に体験した多くの苦難は、実はその時々を真剣に生きた証で、困難を乗り越えるためのエネルギーの根源ともなります。目標を立て、努力し、見事にそれを実現した人の生き方に、私たちは多くのことを学ぶことができます。人生には教科書はありません。皆さんの出会う人が教科書となり先生となります。多くの人に出会って、多くのことを学んでほしいと思います。
いま君たちの多くは、これから社会人としてやっていけるだろうかと不安を感じているでしょう。しかし、甘えは許されません。社会人に要求される姿勢や常識がどんなものかをしっかり把握をして生きて行く必要があるでしょう。 
そこで、社会人としての最低の心構えについて三点お話をいたします。
一つ目は、「時間を守る」ことです。人と約束をした時間を守ることは社会人としての基本中の基本です。時間にルーズだと、一緒に働く人の時間を無駄にするだけでなく、取引先などに損害をあたえてしまうからです。
二つ目は、「人の話をよく聞く」こと。これは、同僚や上司、顧客と円滑にコミュニケーションをとり、正確に仕事をするための最低条件です。
三つ目は、「主体性・自立性」です。これは非常に大切な要素です。
高校生の時期は、先生の話を聞き、理解するという受け身の立場でした。しかし社会に出ると、積極的に学び成長する姿勢が求められるのです。とりわけ「指示待ち社員」は敬遠され、自らの意思で行動できる人材が求められています。こうした意識を持つことによって、自分に自信をもち、意欲に満ちた社会生活を築いていくことが出来ます。
これからの社会はますます情報化、国際化、個人格差が進みます。そうした変化の激しい社会にあって、自己と他者をともに生かすことの出来る広い心で生きていくこと期待します。
終わりに当たり、保護者の皆様にお礼とお願いを申し上げます。この三年間、本校の教育活動に絶大なるご理解とご支援を賜りましたことに心から感謝申し上げます。三年前にお預かりしたお子様は幾多の試練に耐え立派に成長致しました。自信を持って皆様の元へお返し致します。
「親」という字を分析すれば「木の上に立って、子供が歩いていく先を見る」とも解釈出来ます。卒業したとはいえ、社会的にはまだまだ経験が足りません。人生の先輩としてお子様達を温かく見守ってください。
今、全国的に教育改革の進行する中、本校も自己変革の様々な施策を展開し、卒業生が母校として自慢できる学校づくりに邁進していくことを約束致します。
また、本日ご臨席を賜りましたご来賓の皆様方におかれましては、本校への今後ますますのご支援ご協力をお願い申し上げスピーチ挨拶と致します。

平成十九年 三月 二日

石川県立能登青翔高等学校  校 長  田 畑 哲 郎
参考までに・・・
石川県立能登青翔高校HP
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