02実例(参考に)
松山大学
小鳥のさえずりにも日差しにも春の訪れを感じる今日の佳き日に、多数のご来賓ならびに保護者の皆様のご臨席を賜り、平成十八年度松山大学・大学院学位記・卒業証書・学位記授与式を盛大に挙行できますことは、本校の光栄とするところであり、教職員を代表して心から御礼申し上げます。
修了生および卒業生の皆さん、ご修了・ご卒業おめでとうございます。大学院修士課程では二年間、大学院博士後期課程では三年間、学部では四年間修学し、皆さんが本日こうしてご修了、ご卒業の日を迎えられたことに対して心からお慶び申し上げます。また、保護者の皆様におかれましても、感慨無量でさぞかしご安堵なされているものと拝察し、心からお慶び申し上げます。
さて、修了生および卒業生の皆さん、修了または卒業に当たり、皆さんが入学式を迎えた時を思い起こしてください。このような式典に際しては必ず松山大学の歴史と教学理念について説明があったことと思います。これは、皆さんに自信を持って勉学に励み、卒業または修了しても実社会で誇りを持って活躍していただきたいこと、また、松山大学における教育研究が目指すものを理解していただき、松山大学の教学理念を生かして実社会において活躍していただきたいと願って行っているのです。本日もこの二点について、まず手短にお話しておきたいと思います。
松山大学は大正十二年〔一九二三年〕に開校した旧学制による松山高等商業学校がその始まりです。本校は、松山市出身で大阪産業界の雄であった新田長次郎〔雅号温山〕、当時の松山市長であり、俳人正岡子規の叔父に当たる加藤恒忠〔雅号拓川〕、教育家であり、山口高等中学校長、大阪高等商業学校長、北予中学〔現県立松山北高等学校〕校長になられた加藤彰廉らの協力によって設立されました。長次郎翁は、高等商業学校設立の提案に賛同し、学校の運営には自らは関わらないことを条件に、設立資金として巨額の私財を投じて松山高等商業学校を創設しました。現在、文京町キャンパス内に、感謝の意を込めて三恩人としてそれぞれの胸像を設置しています。
昭和十九年に松山経済専門学校と改称し、第二次世界大戦後の学制改革により昭和二十四年に商経学部[現、経済学部、経営学部]を開設して松山商科大学となり、その後、大学院経済学研究科、人文学部、大学院経営学研究科、法学部を順次開設して文系総合大学となり、平成元年〔一九八九年〕に校名を変更して松山大学となりました。昨春、五番目の学部である理系の薬学部と三番目の大学院である大学院社会学研究科を開設して、本学は名実共に総合大学となりました。さらに今春、四番目の大学院である大学院言語コミュニケーション研究科英語コミュニケーション専攻を開設して、教育研究体制をさらに充実しています。
松山大学の教学理念は、初代校長加藤彰廉が提唱し、第三代校長田中忠夫によってその意義が確立された「真実」「忠実」「実用」の三つの実を持った校訓三実主義です。真実とは「心理に対するまことである。皮相な現象に惑溺しないで進んでその奥に真理を探り、枯死した既成知識に安住しないでたゆまず自ら真理を求める態度である。」と、忠実とは、「人に対するまことである。人のために図っては己を虚しくし、人と交わりを結んでは終生操を変えず自分の言行に対してはどこまでも責任をとらんとする態度である。」と、実用とは「用に対するまことである。真理を真理のままに終わらせないで、必ずこれを生活の中に生かし社会に奉仕する積極進取の実践的態度である。」と説明されています。咀嚼すれば、三実主義とは、教育研究においては真理を探究することはもちろんのこと、その真理を日々の生活や仕事の中に応用できるものにすること、また、組織において能力を発揮するためには信用・信頼される人格でなければならないことを説いていると考えます。
皆さんを社会に送り出すに当たりまず期待することは、旧校歌にもあるように、この三実主義をわが身に体して実社会で活躍していただきたいということです。本年は、創立八五年目になりますが、この間に社会に送り出した卒業生は約六万人に達し、産業界を中心に教育界や官公庁などにあって、全国的に活躍し、高い評価を得てきました。これも卒業生の皆さんが、三実主義を体して活躍した結果であり、これが伝統になっていると確信しています。皆さんも伝統を守り、先輩たちに続いてご活躍ください。幸いにもバブル崩壊後、長く続いた不況からも脱しつつあり、就職状況も好転してきました。チャンスを生かして、更なる飛躍を遂げられることを望みます。景気には循環があり不況のときもありますから、その場合にも耐えられるように、実社会において必要なスキルや知識を絶えず修得してください。本学も環境の変化に適応させて、皆さんが実社会において必要となるスキルや知識の修得に貢献できるように、教育研究体制を整えてゆきたいと考えています。
皆さんに対してもう一つ期待することは、今後生きてゆくうえでも目標管理を行っていただきたいということです。この四年間においても志を立て、目的や目標を持って日々努力した人はそれぞれに満足のゆく成果を納め、学生生活に満足されていることでしょう。今後実社会において活躍してゆく上でも、志を立て、目標や目的を達成するための計画を立案し実行してください。人生も企業活動と似ていると思いますから、Plan-Do-Check-Actionのマネジメント・サイクルで自己管理してください。「意志あるところ道あり」の精神で、決してあきらめないで、時には進んでゆけば道も見えてくることもあり、時にはリスクをとらなければならないと時もありますから、失敗を恐れず、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の精神で積極的に取り組んでください。長期的に自己管理できる固い意志を持って人生を歩めば、満足の行く人生を送ることができると思います。
この卒業式には、在学中に交通事故に遭い、ハンディキャップを背負っても初心を忘れることなく卒業に向かって努力し、卒業式に出席している経済学部の木曽智子さんがいます。このように卒業式を迎えることができたのは、計り知れない本人の努力はもちろんのこと、ご両親や指導教授の鈴木茂先生を始め、関係者のご指導・ご協力の賜物と存じます。賛辞を送ると共に今日までご指導・ご協力いただいた関係者の皆様に心からお礼申し上げます。今後もこれまで同様、可能な範囲で目標を立て努力していただきますよう希望いたします。
大学を取り巻く環境は少子化の影響もあって益々厳しくなってきましたが、環境の変化に適応し、校訓「三実主義」に基づいて教育研究に励むことにより、社会から信用・信頼され、卒業生と在学生を含む松山大学のすべての関係者が一層誇りを持てる大学になることを目指します。皆さんは今後卒業生・修了生によって組織される「温山会」の一員になりますから、温山会活動を通じても協力関係が築けることを期待し、最後になりましたが、皆さんがご健勝で社会人として世界的にご活躍いただけることを祈念してスピーチ挨拶といたします。
これは松山大学の森本校長が卒業式のスピーチ挨拶として読んだ物です。
とても長い文章ですが、松山大学を愛する森本校長先生の人柄が見て取れる文章ですね。
参考までに・・・
松山大学HP
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